顔を隠すように、膝に埋める。

瑛太の肩が、小さく震えていた。

「――すまなんだね」

荒畑が言った。

「何も知らんのに、アホなこと言うて悪かったや」

瑛太の顔はあがらない。

「両親は自分のことを死んだと思ってるって植木くんは言ったけど、それは両親から直接聞いたことなんやか?

お前は死んだって、言われたんか?」

荒畑の問いに、瑛太が頭を横に振った。

「何年経っても、どんなに離れとっても、親は子供が大事や。

植木くんの両親も、故郷で植木くんを応援して、活躍を喜んでおると俺は思うよ」

荒畑の言葉に答えるように、洟をすする音が聞こえた。

「あれ、どうしたの?」

話が終わったのか、スマートフォンをテーブルのうえに置いた桑田が首を傾げた。