スマートフォンが震える音で、夏々子は目を開けた。

それを手にとって時間を確認すると、11時を過ぎたところだった。

(何時ぐらいに寝たんだっけか…?)

夏々子はそんなことを思いながら、スマートフォンを耳に当てた。

「――もしもし?」

「なっちゃん、大変だ!」

電話越しの桑田の大きな声に、夏々子はベッドから転げ落ちた。

「イタタ…何よ、朝から」

夏々子は躰を起こすと、低い声で毒づいた。

声が低いのは、寝起きで喉が渇いているせいである。

「なっちゃん、今すぐテレビつけてくれ!

宗助さんが大変なんだ!」

「えっ…?」

宗助の身に、一体何が起こったと言うのだろう?

夏々子は寝室を飛び出すと、リビングのテレビをつけた。