* * * カチャリ。 冷たくも虚しい施錠音が聞こえた。 それと同時に澪に優しい笑顔を向ける人。 「……さて、と」 雛子。 「………ごめん」 兎みたいに真っ赤な目をして、澪は雛子に視線をうつした。 そんな澪を見て、雛子はハハハと笑い、澪の黒髪をくしゃくしゃと掻き撫でた。 「……大丈夫だよっ!澪ちゃんが泣き虫なのは知ってるし♪」 天使のような笑顔が澪を捕らえてはなさなかった。 .