潰れてしまえばいい。



兄さんなんか。










あの苦しみを……兄さんにも味わわせてあげたい。




期待に応えようともがき、結局は絶望される。



泣きたくなるくらい、頑張って。











でも、無理だった。





「……どうして兄さんだけが…っ!」




どうして兄さんだけが。








………幸せになれるのか





あの母から離れ、笑顔で生活が送れるのか。







もう、母さんなんて……大嫌いだった。



そしてそれ以上に。









「………うざいんだよ」



兄さんが大嫌いだった。