「弥生…君…」 中学二年生と言っても、あたしより背が高くて。 男の子の力には敵わない。 焦る澪の耳元で、弥生が囁いた。 「ねぇ…どうして澪さんは…兄さんを選んだの?」 その声はどこか切なそうに。 あたしが稚尋を選んだ理由? それは…。 「…稚尋の…心の傷を癒してあげるため……」 そう。 稚尋の苦しみを一緒にわかってあげるために。 澪の言葉を聞いた弥生はフッと軽い笑いを放った。 .