カタンッ



ソファに腰掛けながら、咳を繰り返す稚尋は大分苦しそうだった。






すぐ、帰ろう。


そう思った。



「大丈夫…?風邪…」







「ん?…あぁ…所で姫?今日は何しに来たんだよ?」




えっ……



何しにって……。



カサッ





澪は自分の鞄を掻き回し、稚尋用のプリントを取り出した。




「プリント届けようと思って!あとお見舞い♪」







「そ、嬉しいなぁ…姫がお見舞いに来てくれるなんて」





そう言うと稚尋は自身の人差し指を使って、マスクをずらした。