澪はその意味がイマイチよく理解出来ず、首をかしげた。 〔稚尋と弥生君は実の兄弟なんだけど…実質、両親に可愛がられてたのは弥生君だけなの〕 「え?」 〔つまり、稚尋はある意味での虐待を受けてたって訳……〕 「………………」 その真実に、何も返す言葉が見つからなかった。 稚尋が…虐待? 信じられなかった。 〔ま、信じられないのも訳ないけど。あたしも初めて知った時はビビったから〕 そうか。 稚尋は…一番大事な時に、一番欲しかった愛情をうけられなかったんだ。 .