「それってもしかして弥生って名前?」



そう言った瞬間、稚尋の顔が歪んだ。




それはとっても嫌そうに。



そしてその表情のまま、稚尋は澪に言った。






「は?何で知ってるんだよ」



「だって―…」









それから澪は昨日の出来事を稚尋に説明した。








すると返って来たのは大きなため息だった。




「はぁ〜……あいつ…」




ギリッ


稚尋は歯を食いしばり、苦しい表情を浮かべた。






どうしてそんなに嫌な表情ばっかりするの?





弥生君は……稚尋の実の弟なんでしょ?



嬉しそうにしたらいいのに。








よく、稚尋の事がわからなかった。





















そして放課後。



澪はある人物に電話をかけていた。