「は?」




頭の中が真っ白になった。



「だから、居候させてくれって言ってんの!」






「んな……おまっ…家あんだろうが…母さんだって……」




お前を……心配してる。



いつまでも、弟の…お前だけを。









ズキッ



古傷が、少し傷んだような気がした。





動揺する稚尋を見て、弥生は吐き捨てるように言った。









「出てきた……あんな家」





グッ


弥生が少しだけ、唇を噛み締めた。



それは………怒り?
















「出てきたって……お前なぁ…」






俺にどうしろって言うんだよ。





まったく。