そこにいたのは……。









「お久しぶりです」






そう、兄に皮肉の笑みを浮かべる弟。




弥生だった。







十年ぶりの再会だったが、あまり変わっていない弥生はすぐに自分の弟だと認識する事が出来た。







「……何の用だ?」



弥生の声を聞いた途端、稚尋はあからさまに嫌そうな表情を浮かべ、そう言った。






今更、俺に何の用があるって言うんだ?




弥生は…俺が受けられなかった愛情を浴びて、幸せに暮らしてたはずだろ……?