「なぁ、澪」 「……何?」 稚尋の真剣な声色に、澪はゆっくり視線を向ける。 「その未来のために、オレ、頑張るから」 「……え?」 稚尋の視線ははるか未来を見据えていた。 澪は首を傾げるばかりだった。 稚尋はもう一度、確かめるように言う。 「今の俺はまだ子供だから……お前を守る力だってきっと小さい。だから弥生の時も、きっと沢山お前を泣かせた。俺の家のことだって、今の俺にはどうすることもできないけど……でも……」