明確な理由はわからなかったが、ただひとつだけ。
弥生に対する自分の態度が変わっていたのは明らかだった。
〔あ、………はい〕
声が震えている。
それはこちらがわからでもはっきりわかる事が出来た。
未だ完璧に声変わりを終えていない幼さの残る声が、小さく雛子の耳に届いた。
「いきなりどうしたの、メールなんて。今日はあんたの兄貴も一緒に学年行事!聞いてなかったの?」
〔い、いや…知ってた〕
「なら、何?」
何故。
こんな突き刺さるような冷たい言葉を選んでしまうのか。
彼が傷つくことはわかっているのに。
口から溢れる思いは留まることを知らなかった。
〔雛子…〕
遠慮がちなその声に、思わずため息がでた。
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