「恋愛話?」




「まぁね〜」



「そっか…」



ねぇ。
どうしてそんなに切なそうな顔をするの?



澪ちゃんは…稚尋がいるんだよ?
だったら……






「聖夜」


唐突に名前を呼んだ。


名前を呼べば反射的に振り向くが、その表情は相変わらず変わらない。




「…何?」



「聖夜…澪ちゃんの事好きでしょ」




そう問い詰めれば。



「はぁ!?な、何言って…」


いつもは感情を素直に出そうとしない彼が急に慌てだした。

きのせいか、頬も少し赤らんでいる気がする。





なんか……新鮮。


















「大丈夫大丈夫ー、応援してあげるからー」


本当は絶対に応援なんてしたくもないけど。


これ以上、悪い女にはなりたくない。


あんな思い…稚尋の時だけで十分だ。




あんな思いを経験するくらいなら、簡単に恋なんてするんじゃなかった……






いや、今ならまだ間に合うかも知れない。







なかった事にすればいい。



この思いなんて、初めから甘えだったんだ。きっと。