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「兄さーん!ここ。ちゃんとかたずけてよねー」
「は?ここは俺の私有地なんですけど」
「いつ決まったの?」
「今」
「フッ…餓鬼」
「はあぁぁぁぁぁっ!?ここは俺のアパートだぁっ!」
同居している稚尋と弥生。
まぁ、一方的に弥生が居候しているだけなのだが。
「兄さんはガサツだから、僕…本当疲れるんだけど」
そう言って、弥生はわざとらしく大きなため息をついた。
「なら出てけ…」
「うっわー。実の弟をこんな寒空の下に追いやるなんてー。訴えてやるー!」
あぁ。
だから嫌なんだ、こいつの兄貴は!
でも最近は、こんな口喧嘩も出来るようになった。
昔は、口さえきかなかったのに。
弥生は俺から自由を奪った奴で、どうしても好きにはなれない相手で……
そんな考えを払拭してくれたのは、澪。
完全に弥生を認められた訳じゃない。
でも。
それでもこうやって、兄弟喧嘩が出来る。
俺と弥生にとっては凄い事なのだ。
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