「ななななな!///何言って!!」
この人に羞恥心は存在しているのだろうか…
はぁ………
いつのまにか涙は乾き、携帯を持つ澪の手には力が入っていた。
弱々しくなんかない。
ずっと、声を聞いていたい。
行動が、気持ちを素直に表していた。
澪が真っ赤になっていると、ふふふと軽い笑いを漏らす稚尋の声が聞こえた。
不思議になって、澪は小さく、何?と聞き返した。
やっぱり、つらい表情の稚尋より笑顔の稚尋がいい。
泣きそうな声より、ふざけた明るい声がいい。
あたしに、幸せをくれる稚尋がやっぱり好きなんだ。
〔…元気、出たな?〕
「えっ…」
〔俺はさ、澪が好きだよ〕
これはこれは……
また熱が上がりそうだ。
というか、既に澪は携帯が壊れるくらいの力でにぎりしめていた。
それがやっとだった。
半年以上も付き合っていても、稚尋の行動に慣れる事はない。
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