「わかってます…」





[そう…くれぐれも、稚尋に影響を受けてはだめよ?あの子と違って、貴方は特別な私の大切は子供なんだから………
稚尋と……弥生は…違う]









何が特別だ。





何が大切だ。






結局大切なのは、自分自身のくせに。











でも。




言えない。








結局、僕はただの弱虫と言う事になる。











「わかっていますよ…母さん」





だからこそ。







あんなに堂々としていられる兄さんが羨ましかった。









まるで、
光と影。





僕は母親の影を踏み締めて生きる術しか知らない。






兄さんのように、





光の下を自身一人で歩くなど、到底出来なかった。