「…っんなの………不公平だよ……」 ポタ… 溢れて留まる事を知らない悲しみ。 それがどれほどつらいか。 どれほど惨めな事か。 母親に逆らう事も出来ず、ただ養ってもらうしか能のない自分。 地面の土が悲しみを吸ってくれると言うのなら、僕は幾度となく涙を流そう。 それが……… 救いの手だとするならば。 ―今夜はちゃんと、兄さんの部屋に戻ろう― 公園の土に染み込んでいく悲しみの後に目を向けながら、そんな事を思った。 .