「…俺…馬鹿じゃね?」




「どこが?」




「どこがって…お前…俺は今まで散々お前の事苦しめて、泣かせて…やっと手にいれた…それだけで十分なのに


なのに俺、この期に及んで今度は束縛紛いの事して……はぁ……情けねぇ…」




稚尋は大きなため息をついた。


ペパーミントの吐息が鼻孔をくすぐった。









胸が熱い。


どうして自分だけ、そうやって思い込んじゃうのかな。




だから、闇が深まっちゃうのに。




それは稚尋の悪い癖。







あの時の稚尋みたいに。


今度はあたしが包んであげる。



これ以上、そんな顔なんて見たくない。









あたしが望むのは、笑顔のアナタだけ…。











「……いいじゃん。ヤキモチ」







フワッ



澪は自分の両手を稚尋の首に回した。