それと同時に澪にも伝わる緊張感。



そっか、そうだよね。










やっぱり、もうちょっと考えてから行動すればよかった………









澪は自分の行動を反省した。







それは今にもおかしくなってしまいそうな緊張感をほぐすため。








次第に冷たかった稚尋の指の温度も感じなくなっていた。










「姫…ちゃんと、約束守れる?」





“姫”


最近は名前で呼ばれる事の方が多かったせいか、かつての呼び名に違和感を抱いた。








それと同時に澪は首をかしげた。





「約束…」






「そう。姫は優しくて意地っ張りだから。弥生の口車にのらないか心配なの」






そう言いながら、頬を包んでいた右手がするすると動き、スッと澪の黒髪をすいた。