そりゃそうだ。 自分の彼女が、ライバルである弟の名前を呼んだのだから。 ……これは簡単に許してもらえそうにないなぁ 澪は大きな絶望感に襲われた。 でも。 諦めない。 「ただね、気になっただけ。今から家行きたいから」 しばらくの沈黙が続き、一言だけ稚尋が呟いた。 〔………いないよ。来いよ〕 「行くっ!」 澪は制服のまま、稚尋のマンションに向かった。 .