「じゃあさ……いちごキャンディ自体がダメなら……これは?」
彼は、細い指であたしの唇に当てた後に顔を近づけてきた。
「いちご飴の香料までついてるけど?」
なんの断りもなく、あたしの唇に噛み付く将輝。
「んっ!!」
「飴の味もするし、いちごの匂いまで莉奈からしてくる」
唇を離すと、鼻をあたしの唇に寄せてくる将輝。
「ねぇ」
いちごキャンディよりも、甘い声が胸の音を立てる。
「このいちごキャンディがダメならさ」
あたしの唇に、彼の唇や舌の感触が襲った。
「唇形のいちごキャンディ、譲ってよ?」
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