あたしはまた、甘酸っぱい香りを放つ、赤みが強いピンク色のそのキャンディを口に放り込んだ。


生のいちごと比べると、甘すぎるこの味。



「俺にも、いちごキャンディくれないの？」



ドキッとした。

横を見ると、いつものキレイなアーモンド形の二つの瞳。



「キャンディ、同じ味だって言ったじゃん。だから違うキャンディ食べればいいでしょ」



「ふーん」



さっきあんなことを言ったくせに、ほしいだなんて。

そんなキレイな顔で言うだなんて。


ずるい、ずるい。
本当にずるい。


だからそんな彼には、いちごキャンディは1つだって譲らない。



「そっか」