サイコパスやシリアルキラーを求めてあちこち検索をかけていた時に見つけた本作。惹かれるがままページを開いて目にした文字の羅列に、これはきっと私の好きな文章であり、好きな物語であると直感が働いた。読んでみて、その感覚は間違いないと思った。残忍な殺害方法や惨殺体の表現方法がリアルで、生々しく、丁寧で、はっきりと目に浮かぶようだった。好みの物語を見つけたことによる高揚感を覚えながら嬉々として読み進めていたが、謎が徐々に明らかになるにつれて、これはただの犯罪小説ではないのだと、途端に重たい現実を突きつけられた。それでも読まずにはいられなかった。それだけ私は惹き込まれていた。胸が痛くなるような彼らの過酷な人生に、犯罪は禁忌だと理解していながらも、その境界線が曖昧になっていくのを実感する。彼らは、自分と、境遇と、世界と戦い、それしか選びようのなかった道を選んだのだ。その先に続く道は、広く大きな自由だ──