「片山さん。おはようございます。」
「お、おはようございます・・・・・・。」
朝起きてくると、エプロン姿の小日向さんが迎える。
テーブルを見ると、既に2人分の食事が用意されていた。
「小日向さん!ご、ごめんなさい!」
「え?どうして謝るんですか?」
「だ、だって!食事用意されてるし・・・・・!何も手伝わないわけには・・・・・・!!」
勢いで言ってしまったことにハッとする。
(また、謝っちゃった・・・・・・。)
『片山さんさ、いっつも何かあるとすぐ謝まるよね〜。』
『確かに!なーんか必死だよね〜!』
『ペコペコして、気持ち悪〜。』
あぁ、まただ。
また、あの時の記憶だ・・・・・・。
もう、嫌だ。
思い出したくない。
誰か、誰か助けて・・・・・・。
「片山さん?片山さん!!」
顔を上げると、心配そうに見つめる小日向さんの姿があった。
「大丈夫ですか?」
「あ、はい・・・・・・。大丈夫です・・・・・・。」
「片山さん。謝らなくて良いんです。貴方の悪口を言う人は、誰もいませんから。」
その言葉に涙がボロボロと溢れ出した。
「え!?あ、すみません!僕、また何か・・・・・!」
「いいえ。違います!ただ、嬉しくて・・・・・・。ありがとうございました・・・・・・。」
私は顔を上げ、小日向さんに笑顔を向けた。
「やっぱり、片山さんには笑顔が似合いますね。」
「え!?」
小日向さんの言葉に顔が熱くなった。