街が、緑と赤と白に彩られて。
 あたしにとって。
 叶との二度目のクリスマスになる。

 年明けには。叶と一緒にあたしの実家に行く予定にしていて、両親も楽しみにしてくれているようだ。

 それでも・・・あたしには。
 叶が自らに〝枷〟を架す生き方をしているようにも見える。
 破滅というリスクを背負ってまで続ける、人形堂の裏ビジネス。
 お金の為だけ、というには彼も樹も濁った感じが全くしない。
 何か・・・貫きたい目的があるのじゃないかと、この頃思ったりもする。
 それを果たすまで、揺らぎ無く。
 人の道すら外れるのだと。

 一蓮托生だと言いながら人形の役割だけ与え、『何も知らない』という逃げ道をあたしにだけ用意して。
 必ず幸せにする、と優しく微笑んだ貴方。
 それは叶にとって〝荷〟ではないのかと惑ったのも確か。

 
 今はただ。
 彼の言葉どおりに。
 受け止めてあげたいだけ。
 一生、どうしても、あたしを欲しい叶の。
 ワガママな愛を。

 
 もしも、もう無理だと思ったら貴方が簡単に放り出せるように。
 あたしは出来るだけ、身軽な〝荷物〟でいるから。

 
 ・・・叶の奥さんにしてください。