「あたしと樹って・・・どういう関係?」

 思い出して、あたしは少し眉をしかめた。
 叶は話を聴いても、微笑みさえ浮かべて。

「・・・僕としては、二人が仲良くしてくれるのは嬉しいよ」

 そこなの?、と思わず突っ込みたくなるような回答をくれたのだ。
 
「叶は・・・いいの?」

 困惑。
 あの夜が特別だと思っていたから。
 樹はあたしが欲しいの?
 叶はあたしに何を望むの?
 俯き加減にそのまま黙り込んだあたしの頬に、彼の指が触れる。
 優しくなぞりながら、言い聞かせるように。

「僕らは互いが強く繋がっていないといけない。結び目がすぐに解けてしまうような関係じゃいけない。そういう意味ではね、僕は二人にもっと親密になって欲しいから」

 目を上げると、叶は仄かな笑みを浮かべていた。

「樹と二人で大事に可愛がってあげるよ。・・・今まで以上にね」