両手を頭の上で拘束され。いつものように目隠しをされた。
 不思議だ。好きな相手にこそ、手酷く愛されたいと願う。
 引力。・・・魔力。叶になら何をされても構わない、とこの躰を差し出せてしまう・・・。

「僕はどうしても・・・君が欲しい。・・・リツ」

 一瞬。ひどく切なさを感じたのは何故だろう。
 見えていないのに、どうしてか哀しそうに聴こえて。

 何かを云おうとした口は啄むように塞がれ、舌が絡み合ううちに言葉を忘れ去っていた。
 慣らされた場所に這い回る舌と指に、絶え間なく声を上げ、小刻みに躰を跳ね上げ。
 そこから、一息に理性が決壊した。
 押し上げてくるうねりに大きく躰を仰け反らせた後。
 ベッドに沈みこむ。
 荒く息をつき、糸の切れた人形のように横たわるのも構わず叶は、あたしの中に入って来て突き上げた。

 揺さぶられて、力無い悲鳴を壊れた人形のようにあたしは繰り返す。
 どこか・・・いつもの叶と違う・・・。

 白に染まりそうな意識の中を漂いながら、そう思った。