「理津子さん。休憩にしませんか」

普段はあたしを、さん付で呼ぶ叶。リツと呼ぶのはあの時だけ。

「さっき、したばっかりでしょう」

あたしは振り返りもせず書棚から本を取り出し、状態をチェックしては戻す、の手を止めない。

「さっきのはお茶の時間」
 
言いながら叶は後ろから腕を伸ばして、あたしが取ろうとした本を押し戻してしまう。

「・・・こら」

溜息雑じりに仕方なく向く。

「お給料分の仕事はさせてもらわないと」

「そういう真面目なところも理津子さんらしくて好きだけど」

クスリと笑うと、叶はあたしを引き寄せてやんわり抱き締めた。

「・・・キスしていい?」

ダメ、なんて言ったこともないのに、時々こういう訊き方をする。ちょっと遊ばれてる感じだ。

返事の代わりに上を向く。啄むようなキスから、深く舌の絡み合う愛欲のキスへ。 唇を離さないままで、叶はスカート越しにあたしの足の間に手を差し入れてくる。

「・・・ん・・・っ」

絶妙な加減でそこを擦られると、勝手に躰が反応して小さく跳ね上がり。叶はあたしをそんな風に確かめるのが好きだ。強弱をつけながら弄ばれて、躰中に疼きが広がる。

「ッ・・・あ、んっ・・・」

「・・・ここで止めたほうがいい?」

耳許に囁かれる甘やかな悪魔の声。

「好きなほう選んで」

「・・・むり・・・」

だってもしかしたら誰か来るかも知れないし。でもこんな中途半端なんて。