『変えようがない現実』を、突きつけられた土曜日は、嫌になるくらいの快晴だった。翌日の日曜は、まるで私の心を映したかのような、曇り空。
そして、今日。
有る意味、私にとっては、恐怖の月曜日の朝。
くずついていた空からは、とうとう雨が降り出してきた。
どうせなら、カミナリでも鳴り響いてくれたらいいものを――。
なんて、あまり建設的じゃないことを考えながら、駐車場からとぼとぼ会社に向かって歩いていたら、ちょうど美加ちゃんと一緒になった。
「うひゃーっ。とうとう降り出しましたね、雨! ただでさえ、鬱陶しい月曜日に、やめてほしいですよねー」
「本当、鬱陶しいったら……。はぁっ……」
一番鬱陶しいのは、私の心の中だ。
気合を入れて出社してきたは良いけれど、今日これから、どんな顔をして谷田部課長に会えばいいのか、皆目見当もつかない。
「――梓センパイ」
後少しでロッカールームというところで、急に足を止めた美加ちゃんが、珍しく真剣な表情で私の顔を覗き込んできた。
「うん? なに、どうしたの?」
怖い顔をして。
「梓センパイの、そのため息の原因って、谷田部課長ですか?」
「え……?」
まさか、美加ちゃんの口からそんなセリフが飛び出すなんて思ってもいなかった私は、ビックリして思わず足を止めた。