だだっ広いその駐車場は八割方車で埋まっていて、停まっている車のナンバープレートは見事にほとんどが他県ナンバーだ。

 その中央部に二階建てのログハウスが、そびえ立つように『デン』と建っていた。

 建物を囲むように小さな、でも丹精込めて世話をされていると分かる美しい花壇があり、色とりどりの花が咲き乱れている。

 壁際には大きめの窓がずらりと並んでいて、掛けられた白いレースのカフェ・カーテンの向こう側には、楽しげに食事をする人影が見えた。

 どうみても、この雰囲気は――。

「レストラン、ですよね?」

 伺うように尋ねると、少しイタズラめいた表情で答えが返ってきた。

「そう、レストラン。ちょっと変わっているけどね」

 変っている?

 確かに、ログハウスだしオシャレな感じはする。でも、別に『変わっている』ようには見えない。

 思わず足を止めて、まじまじと建物を見まわす。

「さあ、行こう」

 柔らかい声と共に目の前に差し出されたのは、大きな手。

 繊細さを感じさせる長い指先は、細いだけの私の手にはない力強さがあって、そんな些細な発見でさえ鼓動が過剰に反応し始める。