久々に一人きりではなく、誰かと同じテーブルを囲んで一緒に食べた『お家ごはん』は、とても美味しかった。

 料理の腕以前に、料理は一人で食べるよりも誰かと一緒に食べた方が断然美味しいのだと言うことを、しみじみと再認識したその後。

 結局、美加ちゃんも美加ちゃんに強引に飲まされた課長も、もともと飲むつもりだった私も、三人で仲良く酔っ払い。美加ちゃん主導の『酒盛りパーティ』は宴もたけなわとなっていた。

 時計の針は、もう午前二時。

 ちなみに今日は木曜日。

 いや、日付けが変わったからもう金曜日だけど、言うまでもなく明日も仕事があるから、遅くとも七時半には家を出ないと間に合わない。

 それを考えたら、もういい加減に寝ないといけないのだけど、如何せん、主役の美加ちゃんが元気ハツラツで寝る気配がない。

 それどころか、やたらと課長に私の事を売り込む始末だ。

「先輩って、お料理上手ですよねー。もうお嫁さんに欲しいです、あたし! ねぇ、ねぇ課長もそう思いませんかぁ?」

「そうだな」

 よせばいのに、課長もニコニコ笑顔で調子を合わせるものだから、美加ちゃん節はますます絶好調で。

「ね、ね、ね。そうでしょう? 課長もそう思うでしょう? だからいっそ、先輩をお嫁さんに貰っちゃいましょうよぉ!」

 お酒が入っているからか、言っていることがストレートになってきた美加ちゃんを課長から引き離すべく、私は、ほろ酔い加減で重くなった腰を『よっこらしょ』と気合いを入れて上げた。