はやる気持ちと爆発しそうな不安を抱えたまま、車は夜の国道を郊外へとひた走り。一時間ほどで、目的地のコンビニを視界に捕えた。

 ドキドキと早まる鼓動にせかされて視線を巡らせ、広い駐車場の隅にポツリと前進駐車しているパールピンクの軽自動車を見つけた。

 運転席に、ハンドルに突っ伏したように俯くセミロングの女性の姿が見える。

「あ、あそこです! 右奥の、ピンクの軽自動車がそうですっ!」

 課長は頷くと、すっと、その軽自動車の運転席側に同じように前進で車をすべり込ませた。

 シートベルトを外す間も惜しんで、飛び降りるように車を出て軽自動車の運転席に駆け寄り、ドアをノックした。

「美加ちゃん!」

 ハッと弾かれたように顔を上げた美加ちゃんと、目が会いドキッと身を強張らせる。

 美加ちゃんの顔色は青いくらいに白くて、泣き腫らしてウサギのように真っ赤になった目には、再び涙があふれてこぼれ出した。

 カチャリ――と鍵が開けられ、私はすかさず運転席のドアを開き、目に飛び込んで気た映像にその場で金縛りに陥った。

「美加……ちゃん?」

 半袖のブラウスから出た白い右上腕部。そこに、鋭い刃物で切り付けられたような長さ二十センチほどの痛々しい傷が走っていた。

 あふれ出した血を自分で止めようとしたのだろう。血を吸って真っ赤になったハンカチを握る左手は、やはり赤く染まり小刻みに震えている。

 そして、引きちぎられたようにボタンが弾け飛んでいる、無残にはだけたブラウスの胸元に、思考が白濁する。

 何が、あったの?