♪side:航大
昼頃に起きて講義を一日丸ごとサボる。思い切り堕落した一日が始まったと思ったらもう午後もいい時間だ。天井の傷の数を数えながら思い返していた過去も、もしかしたら夢だったのかも、なんて思ったりする。
冷蔵庫から飲みかけのペットボトルのコーヒーを取りだし、台所の換気扇をつける。羽が擦れてカラカラカラ……とうるさく音を立てる。
テーブルに置きっぱなしだった煙草を拾いに行って、換気扇の下に戻る。
山積みになった灰皿の吸殻をビニール袋に捨て、新しい煙草に火をつけた。
レポートだとか課題だとかいった、やらなければいけない事は山ほどあるが、本当にやる気が起きない。別に提出期限が明日というわけでもなかったので、一旦忘れることにした。早くやってしまえば苦労は無いのにと思いながら、前日の夜に無理やり終わらせる癖は小学生の頃から直っていない。
二口吸って揉み消した煙草を灰皿に捨て、部屋に戻る。少し残っていたコーヒーを飲み干し、空き缶の横に置く。
聴きたい番組もないが、なんとなくラジオの電源を入れた。いつもと何も変わらない番組が流れている。このコーナーの後はコマーシャルを挟んで時事関係の帯番組が始まる。ちょうど何も興味の無い番組が続くので、結局ラジオの電源は消した。
南中高度から少し傾いた太陽が薄暗い部屋を明るく照らしている。少し出かけようと思い、汗臭くなったTシャツを着替えた。でも、なんとなくこの暑さの中で外に出るのが面倒になった。買い物に出かけるのはもう少し日が傾いてからにしようと決めた。
結局またテーブルの横に寝転び、ラジオの電源を入れた。心底どうでもいい内容の番組を聞き流しながら、次に放送局に送るハガキを少し書き始めてみようかと思う。
FM東京放送局オールナイトジャパン、 恋愛お悩み相談係。昨日翔一と話していたコーナーの宛先をハガキの表に書いてみる。俺みたいなヤツに恋愛の悩みなんて似合わないと思うが、俺にだって気になる人はいる。
色ペンだとかシールだとか、そういうものでなにも装飾もしていないハガキの裏は、字で埋め尽くされてほとんど真っ黒だった。どうせ読まれないだろうと思いながら書き連ねた文字列に意味を持たせるのは俺だけでいい。このハガキを送った段階で、なんとなく気持ちの整理がつく気がする。
こんな事を誰かに相談してみようなんて思ったこともなかった。でも、誰かに相談するんじゃなくて、このハガキにネタとして書いてみてもしそれが読まれたんだったら、この複雑な気持ちにケリをつけられるんじゃないかと思う。それから俺は、思うままにペンを走らせた。
昼頃に起きて講義を一日丸ごとサボる。思い切り堕落した一日が始まったと思ったらもう午後もいい時間だ。天井の傷の数を数えながら思い返していた過去も、もしかしたら夢だったのかも、なんて思ったりする。
冷蔵庫から飲みかけのペットボトルのコーヒーを取りだし、台所の換気扇をつける。羽が擦れてカラカラカラ……とうるさく音を立てる。
テーブルに置きっぱなしだった煙草を拾いに行って、換気扇の下に戻る。
山積みになった灰皿の吸殻をビニール袋に捨て、新しい煙草に火をつけた。
レポートだとか課題だとかいった、やらなければいけない事は山ほどあるが、本当にやる気が起きない。別に提出期限が明日というわけでもなかったので、一旦忘れることにした。早くやってしまえば苦労は無いのにと思いながら、前日の夜に無理やり終わらせる癖は小学生の頃から直っていない。
二口吸って揉み消した煙草を灰皿に捨て、部屋に戻る。少し残っていたコーヒーを飲み干し、空き缶の横に置く。
聴きたい番組もないが、なんとなくラジオの電源を入れた。いつもと何も変わらない番組が流れている。このコーナーの後はコマーシャルを挟んで時事関係の帯番組が始まる。ちょうど何も興味の無い番組が続くので、結局ラジオの電源は消した。
南中高度から少し傾いた太陽が薄暗い部屋を明るく照らしている。少し出かけようと思い、汗臭くなったTシャツを着替えた。でも、なんとなくこの暑さの中で外に出るのが面倒になった。買い物に出かけるのはもう少し日が傾いてからにしようと決めた。
結局またテーブルの横に寝転び、ラジオの電源を入れた。心底どうでもいい内容の番組を聞き流しながら、次に放送局に送るハガキを少し書き始めてみようかと思う。
FM東京放送局オールナイトジャパン、 恋愛お悩み相談係。昨日翔一と話していたコーナーの宛先をハガキの表に書いてみる。俺みたいなヤツに恋愛の悩みなんて似合わないと思うが、俺にだって気になる人はいる。
色ペンだとかシールだとか、そういうものでなにも装飾もしていないハガキの裏は、字で埋め尽くされてほとんど真っ黒だった。どうせ読まれないだろうと思いながら書き連ねた文字列に意味を持たせるのは俺だけでいい。このハガキを送った段階で、なんとなく気持ちの整理がつく気がする。
こんな事を誰かに相談してみようなんて思ったこともなかった。でも、誰かに相談するんじゃなくて、このハガキにネタとして書いてみてもしそれが読まれたんだったら、この複雑な気持ちにケリをつけられるんじゃないかと思う。それから俺は、思うままにペンを走らせた。