――――今、何が起きたのか。
男の子が竹刀を振り被って、それから。
……気がつけば勝敗は決まっていた。
沖田さんが乗り移っている私の身体。
自分の身体なのに――私のものではないと錯覚してしまいそうな感覚。
――――風にでもなったみたいだ。
沖田さんが竹刀を下げたことによって固まっていた空気が動き出す。
「な、何だよ、今の……」
竹刀を突きつけられた男の子は腰を抜かして座り込み、瞳をこれでもかというくらいに見開いている。
あまりの速さに圧倒されていたのは私だけではなかったようだ。
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