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――翌日。
私は何故か再び壬生寺を訪れていた。


今日は特に予定も入っていなかったので、図書館でレポートを終わらせてから真っ直ぐ帰宅するはずだった。

しかし、図書館から出た私の足は壬生寺を目指して進み始める。
――気になって仕方がないのだ。昨日出会った青年のことが。

今日もあの青年がいるなんて確証はない。
それは分かっているけれど、もう一度会って話してみたい。あの哀しそうな表情の理由が知りたい。

そんな思いが私を突き動かした。