「っ、ふふっ、そうですね。沖田さんにそう言われたら、自信がでてきました」
御節介焼きなことが自信に繋がるなんて何だか可笑しいとも思うけど、もう何でもいいや。
――沖田さんのたった一言でモヤモヤしていた気持ちが全部吹き飛んじゃうんだから、私も大概単純な人間なのかもしれないな。
こみ上げてくる笑いに肩を震わせていれば、沖田さんの小さな声が耳に届いた。
「僕には――」
だけど沖田さんの言葉に重なるようにして、まだ春には遠い冷たい風が音を立てて通り過ぎていく。
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