「ふふっ、それじゃあ一緒に乗ってみましょうか」

一旦地面に足を着いてから、沖田さんにもう一方のブランコに乗るよう促す。
コクリと頷いた沖田さんはキラキラとした目でブランコに腰掛けた。


……でも、よくよく考えてみると。
これって周囲の人から見たら、勝手にブランコが揺れているように見えるってことだよね。

今更になって気付いてしまった事実。

「わあ、きいきい音が鳴りますね」なんて楽しそうに話す沖田さんも、そんなことは頭からすっかり抜け落ちているらしい。


……まあ良いか。
風のせい、ということにでもしておこう。

こんなに無邪気に笑う沖田さんが見られるなら、周りの目なんて然して気にすることでもないかな。