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「これが、ぶらんこ」
「そうです。これがブランコです」
使用者のいないブランコを前に説明する。
運良く周囲には人が居なかったので、周りの目を気にせずに沖田さんと会話することができる。しかし言葉で説明しても、どうやって遊ぶものか今一ピンときていない様子の沖田さん。
「私が乗ってみせますから、見ていてくださいね」
言葉で説明するよりも、実際にやって見せた方が分かりやすいだろう。
二つ並ぶブランコの右側に座って、地面を蹴り上げる。
ゆっくりと前後に揺れ始めたブランコは、次第に大きく半球を描き始めた。
興味深そうに見つめていた沖田さんは、直ぐに目を輝かせて「わあ、面白そうですね」と弾んだ声を出す。