「――沖田さんがこうやって自分のことを話してくれて、私は嬉しいです。だから、私は沖田さんの話、もっとたくさん聞きたいです。……沖田さんのこと、もっと知りたいと思います」

私のたどたどしい話を、沖田さんは焦らせるようなこともなく黙って聞いてくれる。


「……私には、何でも話してください。私は話を聞くことしかできませんけど、でも、」

――沖田さんの悲しい気持ちも嬉しい気持ちも、思い出も。共有出来たらなって思いますし、一緒に背負っていけたらなって、思います。


「……えっと、吐き出すことですっきりすることもあるかと思いますし!あ、でも別に、無理に聞き出そうとかそういうことではなくて……!」


やっぱり話が纏まらなくてあたふたとしてしまえば、唇を綻ばす沖田さん。
その笑みにはどことなく揶揄いの色も見える。