「すみません、結月さんの話を聞いていたら色々と思い出してしまって。話し過ぎました」
苦笑いを浮かべた沖田さんは、「わざわざ連絡をくれるくらいですから、きっとその先輩さんも、結月さんのことを大切に思っているんでしょうね」と優しく目を細める。
「……そうですね。怒られることも多いですけど、きっとそれも私のことを思ってくれてのもの、なんだと思います」
「はい、きっとそうですよ」
笑った沖田さんはちらりと時計に視線を送って、「すみません、長々と話してしまって。もう出る時間ですよね。遅れたら鬼みたいに怖い先輩、にも怒られてしまいますね」なんて茶目っ気を含んだ声色で片方の目をぱちりと閉じた。