「今日はすぱげってぃなんですね。美味しそうです」

並び合うようにして置かれた真っ白な皿には、ミートソース味のスパゲッティが綺麗に盛り付けられている。中々の自信作だ。

ソファに腰を下ろせば、沖田さんも同じく腰を下ろして一緒に手を合わせる。


「「いただきます」」

幽霊である沖田さんは食べることができないので、私が食べている様子を見ているだけになってしまう。けれど沖田さんはいつも笑顔で嬉しそうだ。


食べられないのに食事を用意するのも意地が悪いだろうか、なんて思ったりもした。

だけど沖田さんは、「そんなことはないです。結月さんと美味しいという気持ちを共有出来て、僕は嬉しいですよ」と、私の考えはお見通しだとでもいうように言葉をくれた。

「でも、僕は食べる必要がありませんから。無理に用意する必要はないんですからね」と気遣いの言葉も添えて。