私の言葉に息を呑んだ沖田さんから返ってきた言葉は、「……僕は、食事を摂る必要はないですよ」と、何とも拍子抜けしてしまうようなものだったけれど。
「別に、食べられなくてもいいです。ただの私の自己満足ですから。……ただ、一緒に食卓を囲めればいいです。……私にこんな時間まで探させた罰として、これからは一緒に食事してもらいますから!」
びしりと語尾を強めて言い切れば、目を瞠った沖田さんはゆっくりと俯いた。
「っ、貴女は、本当に……」
肩を震わせながら顔を上げた沖田さんの顔に浮かぶのは――笑顔。
目尻に涙を滲ませながら、嬉しそうな、それでいて泣き出してしまいそうな、何とも形容しがたい表情をしている。
いつもの柔らかい笑顔も素敵だけど――見ているだけで胸がぎゅって締め付けられるような、沖田さんの今の表情(かお)も。私は好きだ、と思う。