流れゆく景色を意味もなくぼうっと眺めながら、昨年の春先から今までの生活を思い返す。
現在は二月中旬、もう直ぐ一年が経過する。
時の流れはあっという間だ。
小学校低学年くらいだろうか、数人の子どもたちが楽しそうな笑い声を響かせて真横を通り過ぎていく。その姿を無意識に目で追っていれば、同じように視線を送る一人の青年が視界に映った。
柔らかそうな焦茶色の髪を風に靡かせて、カラコロと笑い声を響かせる子どもたちを微笑ましそうに見つめている。
……でも、何でだろう。
笑っているはずなのに、穏やかに見えるその横顔が、どこか――寂しそうで。儚げで。
花弁のように、風に攫われて消え去ってしまいそうな、そんな危うさを孕んでいるように感じられて。
目が、離せなくなる。