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「……遅いな」

現在時刻、夜の八時。

カレーも数時間前には作り終え、ソファに座ってぼうっとテレビを観ながら沖田さんの帰りを待っていた。
しかし、いくら待っても沖田さんは帰ってこない。


……もしかして、彼は既に成仏してしまったのだろうか。
それならいい、けれど。

でも、もう直ぐ帰ってくるかもしれない。
「遅くなりました」と、あの穏やかな笑みを湛えて。

そう思うと夕食に手を付ける気にもなれなくて待ちぼうけしてしまう。


沖田さんとはまだ出会って三日程しか経っていない。
それなのに――どうしてこんなにも、彼のことが気になるのだろうか。