「それでは、身支度もあるでしょうし僕は外に出ていますね。少し周辺を散策してきます」と言葉を残して部屋を出ていく沖田さん。
……何だか、とても気を遣わせてしまっている気がする。
しかしそれを感じさせない朗らかな雰囲気。
新選組という組織にいたのだし、真相は分からないけれど、きっと何百年も前には女の子たちに大層人気があったのではないだろうか。
陰で彼に思いを寄せていた人がいてもおかしくはないだろう。
寝起きで回らない頭でぼうっとそんなことを考えていたけれど、そろそろ支度を始めないとまずいことに気付き、一度伸びをしてベッドから重たい腰を上げた。