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「……結月さん。何から何までありがとうございます」


布団を敷いて部屋の明かりを落とせば、沖田さんがぽつりと呟いた。
静かな部屋にはよく響いたお礼に、私は目を閉じながら「どういたしまして」と言葉を返す。


――どうか、この心優しい幽霊が無事に成仏できるようにと、願いを込めながら。
そして、これから始まる不思議な同居生活に、少しの期待を抱きながら。


夜は静かに更けていく。