一旦話に区切りがついた所でチラリと時計に視線を送れば、時刻は十時半を過ぎている。
「とりあえず、今日はもう遅いので寝ましょうか。沖田さんは……」
彼の寝床はどうしようか。
確か何処かに来客用の布団を仕舞っておいたはずだ。
思案していれば、「ああ、僕のことは気にしないでください」と沖田さん。
「僕はこれまでずっと外にいたんです。何より女性が床に就いているのに同じ部屋に居るのはよくありませんから。僕は表に出ていますね」
「……ちょっと待ってください」
玄関に向かおうとする沖田さんに静止の言葉を掛ける。
「私は全く気にしないので部屋で休んでください。確か来客用の布団も仕舞ってありましたし、布団を敷くスペースだって十分にあります」