私の言葉に目を丸くしながら振り返る沖田さん。
「きっと私にできることなんて、少ないとは思います。でも、沖田さんが成仏できるように、何かお手伝いさせてください」
私が壬生寺に行ったことも、沖田さんが視えたことも、こうして話すことができたのも――きっと何かの縁だ。
だったら彼が無事に成仏できるよう、最後まで見届けよう。
私の言葉に困惑していた沖田さんだったけれど、最後にはふっと気の抜けたような笑みを浮かべて頷いてくれた。
「ふふっ、お人好しな人ですね。普通は幽霊だなんて言われて信じたりしませんよ」
「私だって未だに信じられませんけど……でも、沖田さんは嘘をついていないって思ったので。信じられないけど、信じました」
「っ、あはは!本当に貴女は……」
声を上げて笑いながら目尻に浮かんだ涙を人差し指で拭った沖田さんは、私が座るソファへと歩み寄ってきた。