「単刀直入に言うと、僕は死んでいます」


……。
……今、この青年は何と言ったのか。

言葉が出てこない私に向かって「幽霊、ということになるんでしょうか」なんて言いながら、この場の空気には似つかわしくない笑顔を浮かべる青年。


「幽霊って……」
「……はい。申し遅れましたが、僕は新選組一番隊組長の沖田総司といいます」


“新選組の沖田総司”

日本史好きの私でなくても、誰もが一度は耳にしたことのある名前ではないだろうか。

江戸末期に京の都で活躍した新選組に属していたとされる、若き天才剣士。
ドラマや小説の題材にされることも多く、百五十年以上経った今でも多くの人々に愛されている偉人だ。