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今日は久しぶりに壬生寺の方に散策に行くと言って、沖田さんは朝から一人出掛けて行った。

沖田さんの居ない大学での一日に味気なさを感じながら過ごし、最後の講義を終える。
今日はサークルに顔を出す予定もないので真っ直ぐに帰ろうと歩いていれば、前方に見慣れた背中を見つけた。


小走りで近づいて声を掛ければ、目の前の人物の足はピタリと止まる。

「トシ先輩」
「……何だ、立花か」
「何だとはなんですか」


――私に対しての扱いが日に日に雑になっているのを感じるけれど、これも親しくなれている証拠だということで、前向きに受け止めておこうと思う。